矛盾を、可能性に──採用ブランディングプロジェクトの舞台裏|プロジェクトストーリー

公開日: 更新日:

本記事の要約

  1. 採用ブランディングプロジェクトは、オープンの魅力と厳しさを候補者へ正しく届けるための取り組みです。
  2. 社内アンケートやヒアリングを通じて、一見相反する価値が同居するオープンらしさを見つめ直しました。
  3. 最終的に「矛盾を、可能性に。」という採用コンセプトへたどり着き、採用・広報・面接をつなぐ共通言語が生まれました。

PJのあらすじは?

何を目指したPJか?

このプロジェクトで私が目指したのは、オープンの「本当の魅力」と「合う人・合わない人」を言語化し、候補者へ正しく届けることです。

単にコーポレートサイトをリニューアルするだけではなく、採用におけるミスマッチを減らし、事業成長を支える人材と出会うための土台をつくりたいと考えていました。

そのために、会社の思想、カルチャー、人材要件を改めて整理し、採用サイトやリクルートページ、ブログ、面接で語る内容まで一貫させる必要がありました。

応募数を増やすだけではなく、「オープンで活躍できる人」に正しく届き、逆に合わない人には事前に違和感を持ってもらえる状態をつくることが、このプロジェクトの大きな目的でした。

いつから・いつまでの取り組みか?

プロジェクトは、2025年11月頃から本格的に始まりました。

2026年7月頃のコーポレートサイトおよびリクルートページのリニューアル公開を目指して進めています。

初期フェーズでは、採用コンセプト設計に向けて、社内アンケートや関係者へのヒアリングを行いました。

その後、外部パートナーから採用コンセプトの提案を受け、人事ポリシーの整理、アンケート結果の分析、採用メッセージの検討を重ねながら、最終的なコンセプトへ落とし込んでいきました。

矛盾を、可能性に。──採用ブランディングプロジェクトの舞台裏|プロジェクトストーリー

関わったメンバー・体制は?

主担当としては、私が人事・採用マーケティングの観点からプロジェクトを推進しました。

ただし、このプロジェクトは人事だけで完結するものではありませんでした。

経営陣、事業責任者、現場社員、外部パートナーの声を集めながら、オープンという会社の輪郭を全社で見つめ直す形で進めました。

採用・人事の視点だけではなく、事業を牽引する責任者や実際に活躍している社員の言葉を集めたことで、きれいなコピーではなく、会社の実態に根ざした言葉を探すことができました。


PJのきっかけは何だった?

顧客の課題は何だった?

私が最初に感じていた課題は、「オープンがどんな会社なのか」「どんな人が活躍するのか」が、候補者に十分伝わっていないことでした。

入社理由としては、待遇、仕事内容、成長環境、人の魅力などが挙がっていた一方で、入社後に社風や仕事内容にギャップを感じる声もありました。

つまり、会社の魅力がないわけではなく、入口の段階で実態が伝わり切っていない状態だったのです。

特にオープンは、裁量が大きく、変化が速く、自ら考えて動くことが求められる会社です。

そのリアルを伝えきれないまま採用を進めると、入社後のミスマッチにつながるリスクがあると考えていました。

なぜこのタイミングで動き出した?

大きかったのは、採用活動のテーマが「母集団形成」から「採用の質の向上」へ移っていたことです。

これまでは、まず応募数を増やし、採用活動の土台を整えることが重要でした。

しかし事業成長に伴い、次に必要になったのは、単に人を採ることではなく、オープンの成長を支える“ど真ん中人材”と出会うことでした。

上場企業としての安定感が高まる一方で、オープンが本来持っている挑戦的で変化の大きい環境をどう伝えるかも課題になっていました。

安定した会社に見えるが、実態は更地に近い領域で自ら事業をつくっていく場面も多い。

そのギャップを、採用メッセージとして正しく表現する必要がありました。

当初の仮説は何だった?

当初の仮説は、オープンの魅力は「成長環境」や「裁量」だけでは語りきれないというものでした。

ヒアリングやアンケートを通じて見えてきたのは、オープンには一見矛盾する要素が同居しているということです。

「オープンは、上場企業なのにスタートアップのようなカオスがある。ロジカルだけど、最後は泥臭い。自立を求めるけれど、挑戦する人を見捨てない。この矛盾こそが、他社にはない強みなのではないかと思いました」

この相反する要素こそが、オープンらしさであり、採用市場での差別化につながるのではないかと考えるようになりました。

そこから、最終的に「矛盾を、可能性に。」という採用コンセプトへつながっていきました。


乗り越えた困難は?

どんな矛盾に直面した?

一番難しかったのは、オープンらしさそのものが、一言で説明しづらいことでした。

オープンは、単純に「成長できる会社」でも「裁量がある会社」でもありません。

自由と責任、合理性と情熱、自立と支援、効率と愚直さのように、一見相反する価値が同時に存在しています。

採用メッセージとして分かりやすくするには、言葉を絞る必要があります。

一方で、絞りすぎるとオープンの複雑さや奥行きが失われてしまいます。

候補者に魅力的に見せるだけでは不十分で、厳しさや向き不向きも含めて伝えなければ、本当の意味で採用の質は上がらないと感じていました。

どう向き合った?

まずは、表面的なコピー開発に終わらせず、社内の声を丁寧に集めることから始めました。

経営陣や事業責任者へのヒアリングでは、オープンで活躍する人の特徴や、会社の魅力、求める人物像を掘り下げました。

さらに、全社員向けのアンケートを通じて、入社理由、入社後ギャップ、応募者へ訴求できる強み、活躍人材の仕事への向き合い方などを整理しました。

その結果、活躍人材には「挑戦志向」「結果へのこだわり」「スピード」「自己成長欲」「オーナーシップ」「自走力」「最後までやり切る力」といった共通点があることが見えてきました。

同時に、人事ポリシーの作成も進めました。

年齢や社歴ではなく価値創出で評価すること、受け身や現状維持を望む人には簡単な環境ではないこと、成果とプロセスの両面を見ることなどを明文化し、採用メッセージと人事制度・カルチャーの接続を図りました。

何を学んだ?

このプロジェクトを通じて学んだのは、採用ブランディングは“よく見せること”ではなく、“正しく伝えること”だということです。

会社の魅力だけを並べても、候補者の意思決定にはつながりません。

むしろ、厳しさや合わない人の特徴まで含めて伝えることで、本当にフィットする人にとっては信頼できる情報になります。

また、採用コンセプトはコピー単体で成立するものではありません。

人事ポリシー、評価制度、社員インタビュー、プロジェクトストーリー、求人票、面接での伝え方まで一貫して初めて、候補者に届くものになります。

採用サイトのリニューアルは、見た目を変える作業ではなく、会社の思想を外部に開く作業なのだと実感しました。


困難の突破と成果は?

何が転機になった?

転機になったのは、オープンの複雑さを無理に単純化するのではなく、「矛盾」そのものを強みにする発想でした。

当初は、成長、挑戦、会社を使い倒す、といった複数の方向性を検討していました。

しかし議論を重ねる中で、オープンらしさは一つの価値に絞るよりも、相反する価値を両立している点にあると見えてきました。

そこで生まれたのが、「矛盾を、可能性に」というコンセプトです。

「どちらか一方を選ぶのではなく、両方を取りにいく。矛盾を避けるのではなく、その中に可能性を見つける。この言葉なら、オープンの実態も、採用したい人材像も表現できると感じました」

この考え方が、オープンの実態と採用したい人材像の両方に重なりました。

どんな成果が出た?

成果として、オープンの採用ブランディングにおける中核コンセプト『矛盾を、可能性に』が定まりました。

このコンセプトにより、オープンの魅力を単なる「成長環境」や「裁量」という汎用的な言葉ではなく、会社独自の思想として表現できるようになりました。

また、採用サイトやリクルートページだけでなく、社員インタビュー、プロジェクトストーリー、人事ポリシー、求人票、面接での魅力づけにも展開できる軸が生まれました。

今回の成果は、すぐに応募数や採用数だけで測るものではありません。

まず大きかったのは、オープンの魅力や厳しさを、感覚ではなく言葉として共有できるようになったことです。

採用コンセプト、人事ポリシー、ブログ記事、Entrance Book、求人票、面接での魅力づけが同じ思想でつながることで、候補者に一貫したメッセージを届ける土台が整いました。

Before(プロジェクト前)

定性

オープンの魅力は、成長環境・裁量・人の魅力として語られていた一方で、「どんな人が活躍するのか」「どんな環境なのか」が候補者に十分伝わり切っていませんでした。入社後に社風や仕事内容のギャップが生まれる可能性もあり、採用広報・求人票・面接で語る内容に一貫した軸が不足していました。

定量

  • 採用コンセプト:未策定
  • 人事ポリシー:未整備
  • 活躍人材像:各責任者・現場の感覚に依存
  • 採用サイト/リクルートページ:リニューアル前
After(プロジェクト後)

定性

「矛盾を、可能性に。」という採用コンセプトを軸に、合理性と情熱、自立と支援、効率と愚直さなど、オープンらしさを一貫して伝えられる状態をつくりました。候補者に対して良い面だけでなく、求められるスタンスや向き不向きまで正しく伝えることで、採用の質を高める土台が整いました。

定量

  • 採用コンセプト:1件策定
  • 人事ポリシー:1本作成
  • 社内アンケート:実施
  • 経営陣/責任者/活躍社員ヒアリング:実施
  • 採用サイト/リクルートページ:リニューアル設計
  • ブログ記事カテゴリ:コーポレートを含め全体整理

顧客・組織にどんな影響を与えた?

このプロジェクトは、候補者向けの採用サイトを作るだけでなく、社内にとっても「自分たちは何者か」を見つめ直す機会になりました。

採用コンセプトを整理する過程で、オープンで活躍する人材像、会社が提供できる成長機会、合う人・合わない人の特徴が明確になりました。

これにより、採用活動だけでなく、面接、オンボーディング、評価、育成にも接続できる共通言語が生まれました。

候補者に対しては、良い面だけでなくリアルも伝えることで、入社前の期待値を正しく整えられるようになります。

組織に対しては、採用活動を“人を集める活動”から、“会社の思想を伝え、未来の仲間と出会う活動”へと引き上げるきっかけになったと感じています。